「リファラー」とは、アクセスログのひとつで、ユーザーが直前に閲覧していたページURLの情報です。
アクセス解析ツールを使用しているサイト運営者にとっては非常に気になる情報で、SEO効果の分析をするためや純粋な好奇心からURLをクリックすることもあるでしょう。
URLがニュースサイトやSNSサイトなど健全なサイトのものならば問題ないのですが、なかにはサイト運営者をリンク先に誘導することを目的とした悪質なサイトもあります。
このように「ユーザーはどのようなページから来たのだろう?」という心理を突いた悪質な誘導行為のことを「リファラースパム(リファラスパム)」と呼びます。
リファラースパムによる被害は、ほかのサイトに誘導されるだけではありません。具体的なリスクとしては以下の2点があります。
(1)アクセス解析が阻害される
リファラースパムは決して珍しい行為ではなく、個人ブログのような小規模なサイトでも被害が生じています。それだけ無差別、かつ頻繁にアクセスしてくるわけです。
1日に数万PVもあるようなサイトならば解析結果は誤差程度ですが、アクセス数が少ないサイトの場合、解析精度が落ちてしまう可能性があります。
(2)ウイルスに感染する恐れがある
サイト運営者がウェブページを開いただけで感染する極めて悪質なリファラースパムもあります。
ウイルスによって顧客情報や機密情報などが奪われれば信用にも関わりますので、注意しなければなりません。
リファラースパムは外部サイトに誘導するだけではなく、このような致命的な問題も引き起こします。放置せず、なるべく早めに対応する必要があります。
今のところリファラースパムを完全にシャットアウトする方法はありません。
被害を最小限に抑えるためにも、サイト運営者は以下の2点を心掛けてください。
(1)怪しいURLはクリックしない
リファラースパム対策で最も重要なのは「怪しいURLをクリックしないこと」です。
セキュリティソフトをインストールしていたとしても、未知のウイルスやセキュリティ更新プログラムが古かった場合は、ウイルスに感染してしまいます。
スパムの傾向としては「海外からのアクセス」「言語設定が未設定」「滞在時間がほぼゼロ」などが挙げられます。このようなサイトのURLを見つけたらみだりにクリックしないでください。
(2)フィルターをかける
リファラースパムはアクセスしないのが一番ですが、放置し続けてもいけません。そのままにしておくとノイズとなって解析結果に悪影響を及ぼします。明らかなスパムを発見した場合は、アクセス解説ツールのフィルター機能を使いましょう。フィルターをかけることで対象のURLからのアクセスを非表示にできます。
このように、真剣にアクセス分析を行い、SEO効果を高めようとしているサイト運営者にとってリファラースパムは非常にやっかいな存在なのです。Googleはこのような迷惑行為を重く見て、Googleアナリティクスのリファラーに悪質サイトを表示させないなどのリファラースパム対策を行っています。しかし、まだ完全に排除できているわけではありません。
「怪しいURLはクリックしない」こと、そしてスパムを見つけたら「フィルターをかける」ことを意識して、自衛に努めることが大切です。