モバイルフレンドリーアップデートについて解説しています。(2016年の記事)
モバイルフレンドリーアップデートが影響を及ぼすのは、スマホなどのモバイル端末から検索された結果です。
このため、最初のモバイルフレンドリーアップデートが実施されたあとには、同じキーワードで検索しても、PCやタブレットの検索結果とモバイルの検索結果とで大きく順位が違ってくるのではないかと予想されました。
そこで、アメリカのSEOメディア「SEARCH ENGINE ROUNDTABLE」は、2015年4月に行われたモバイルフレンドリーアップデートの実施から1周間ほどが経過したタイミングでアンケート調査を行いました。
「モバイルフレンドリーアップデート後の1週間でGoogleモバイル検索時に何か違いが感じられたか?」という問いに対して、11%の人が「違いがあった」と答えています。また、「違っているときもあった」と答えた人は13%でした。
一方で「違いはない」と答えた人が65%でもっとも多く、それに次いで「わからない」と答えた人が13%にのぼりました。結論としては、アップデート後もそれほど劇的な変化は見られなかったようです。
また、日本国内でGoogleの順位変動データを提供しているnamaz.jpを見てみると、モバイルフレンドリーアップデート実行後の2015年4月22日、23日には変動値が大きくなりました。数値上での最大変動幅は8.2を記録しましたが、翌24日には安定しています。
Googleが検索アルゴリズムを変更する場合、内容や時期について詳細な発表をすることはまれです。しかし、モバイルフレンドリーアップデートに対しては事前に実施日を公表し、以下のような変更内容を事前に一般に向けて告知しました。
1.モバイル版の検索結果におけるモバイルフレンドリーページ(スマホで見やすく使いやすいページ)の掲載順位を全世界で引き上げる。
2.PCなど、大きい画面のみを対象にデザインされたページは、モバイル版の検索順位が大幅に下がる可能性がある。
3.今回のアップデートはタブレットやパソコンからの検索には影響しない。
4.検索順位が変動するのはサイト単位ではなくページ単位である。
5.Googleが用意した「モバイルフレンドリーテスト」というページを使って、特定のページがモバイルフレンドリーかどうかをテストできる。
2016年5月のモバイルフレンドリーアップデートでは、モバイルフレンドリーなサイトかどうかの判定が、前回のアルゴリズムに比べて検索結果に大きく影響するのではといわれています。しかし、すでにモバイルフレンドリーに対応しているか、もしくはスマホ用サイトを別に用意しているサイトには、それほど大きな影響はないだろうという説が有力です。
SEOを意識しているサイトの多くは、すでにモバイルへの対応は実行済みだと思われますが、「まだ対応していないページが多く残っている」というようなサイトでは、これを機にモバイル対応に踏み切ることをおすすめします。
ただし、「モバイルユーザーをターゲットとしていない」場合には、PCやタブレットからの検索順位とは無関係ですから、あえてサイトをモバイルに対応させるメリットはあまりないかもしれません。
いずれにせよ、コンテンツの質が高く、多くのユーザーにとって有益な情報が掲載されているページであれば、モバイルからの操作性が良くなかったとしても、検索上位に表示される可能性は高いでしょう。モバイルフレンドリーアップデートもまた、Googleが持つ「サイトを評価する上でのひとつの指標」に過ぎないからです。
とはいえ、Webアクセスの主役が世界的にスマホに切り替わりつつある現在。Googleがモバイルフレンドリーアップデートに関する情報を積極的に発信してきたのも、「世界中のウェブサイトが、モバイルからも快適に閲覧できるようにしてほしい」という願いを込めてのことではないでしょうか。